夏のたまご[ソロジャーナルRPGプレイログ]
夏のたまご
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イントロダクション
ある夏、あなたは不思議な石を拾います。
その石はある日卵のように割れて、中から何らかの生き物……おそらくは生き物が出て来ました。
生き物はあなたを親か何かだと思っているようで、あなたについて回ります。あなたと謎の生き物はどのような日々を過ごし、どのような結末を迎えるのでしょうか。
孵化フェイズ
1日目
引いたカード:♢A(山/卵型)
8月1日、茹だるような暑い夏の日、涼を求めて訪れた山の森の奥で、それを見つけました。
それは綺麗な卵型をした石でした。あまりに完璧な卵型をしていたので、何か生き物の卵が落ちていると思い慌てて近づいたのです。
触った感触は冷たくザラザラとしていて石であると気がつきました。しかし、何故か、そのまま放っておくことができず、私は卵によく似た石を大切にハンカチに包み持ち帰ることにしました。
2日目
引いたカード:♤4
自宅に戻った私は、大切に、まるで本物の卵を扱うように、ゆっくりとハンカチから石を取り出しました。
すると石であると決めつけたそれが、わずかに脈を打っていることに気がついたのです。私は急に怖くなり、それをまたハンカチにぴっちり包んでから少し離れた机の上に置き、布団を被って眠りました。
3日目
引いたカード:♢2
ピチチチという囀りとカーテンの隙間から差し込む朝日で、私は目が覚めました。
昨夜持ち帰った石のことについて考えてながら微睡んでいたのですが、先程から聞こえる囀りに混ざり、この部屋の中、あの石から、か細い鳴き声のようなものが聞こえていることに気がつきました。
もしかして、これは、石ではないのかもしれない。
ちいさないのちなのかもしれない。
4日目
引いたカード:♡5
今日も部屋には石か卵かわからないそれがあります。
今日はそっと撫でてみました。ぺたりと冷たいそれは心地よく、つい小一時間撫でていました。
5日目
引いたカード:♧K
今日もそれは石のように動かず、ただじっとしたまま部屋の机の上に鎮座していました。
脈や鳴き声は、不安な気持ちがもたらした勘違いだったのかもしれません。
孵化
引いたカード:♡9 ♡10
長く自在に動く尻尾のようなものが生えている
ある夜、ぱきぱきと乾いた音で目が覚めました。
石か卵か私を悩ませていたそれが孵化していました。
完全に卵から孵ったそれの姿は概ね人型で、猫の尻尾のようなものをうねうねと動かしながら小首を傾げ、私を見つめていました。
「ああ、卵だったのか。いのちだったんだ。」